【シラバス基本情報】

科目名 近・現代史
担当教員 越智 久美子
配当年次 4年
履修方法 選択
開講時期 前期
授業形態 講義
単位数 2
備考

【授業目標】

 本授業を受講することによって、現在の社会における諸問題に対し歴史的な視点を持って考察していく力を身につけることをねらいとする。本授業では主として日本の近代及び現代の歴史を扱っていくが、ここでは暗記型の歴史ではなく、自ら歴史認識を形成し、更に発掘していく姿勢を持つことが重要な課題となる。

【到達目標】

 @ 現在の社会における諸問題を複眼的に考察し、更に今後の社会のあり方を模索していく力を身につけるこ  とができる。
 A 歴史を発掘していく姿勢や、歴史と向き合うことの重要性を、他者に伝えていく力を身につけることができ  る。

【授業計画】

 本授業では、近・現代という時代に対するイメージや、その時代に生きた人びとに対する共感能力を養うことが必要になる。そのためには、多くの史・資料や文献に触れることが欠かせない。本授業のなかでできる限り多くの史・資料や文献の紹介をしていくが、現在の社会における諸問題と照らし合わせて考察していくうえでは、自ら現在のニュース等を意識して観察することも求められる。

内容
1
オリエンテーション ―歴史的視点をもつということ―
2
近・現代における「戦争」と「平和」
3
近・現代における宗教の変遷
4
戦前期の国家神道 ―靖国神社をめぐる諸問題から―
5
近代学校制度のはじまりから学徒兵の時代まで ―二宮金次郎という生き方―
6
至学館大学の百年 ―女子の体育・スポーツの発展に先駆けて―
7
大正自由教育とは何だったのか ―小林宗作と黒柳徹子から―
8
ペンを捨て銃を持たされた学徒兵たち 
9
学徒勤労動員と名古屋空襲 
10
沖縄の歴史と基地問題
11
「ヒロシマ・ナガサキ」で生活をしていた人びと ―空襲の被害を知る―
12
敗戦と戦後 ―昭和をうたった美空ひばり―  
13
女性であることは生きにくい? ―男女共同参画社会における松田聖子と中森明菜の生き方から―
14
近・現代に生きた人びとの身の上相談 ―映画「大学は出たけれど」を参考にして―
15
まとめ ―近代的自殺について―

【履修上の注意(含予習・復習)等】

 授業のなかで配付した史・資料、紹介した文献を読み、理解を深めること。また、質疑応答には主体的に発言し活発な議論をすること。
対面での授業を中心とするが、さまざまな状況によってズームやオンデマンドにて実施する可能性もある。

【成績評価の方法と評価割合(%)】

 授業毎のレポート内容(60%)@A、課題提出物(10%)@A、期末試験(30%)@Aを総合して評価する。

【テキスト・参考文献】(テキスト◎、参考文献(推薦)○)

 ○天野郁夫,2006『教育と選抜の社会史』ちくま学芸文庫
○山住正巳,1995『日本教育小史―近・現代―』岩波新書

 ○加藤陽子,2016『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』新潮文庫
 ○越智久美子,2016『私たちの戦争 中京高女の学徒動員と熱田空襲』中日新聞社