【シラバス基本情報】

科目名 食品微生物学
担当教員 北本 則行
配当年次 2年
履修方法 必修
開講時期 前期
授業形態 講義
単位数 2
備考 食品工業技術センターで食品の改良などに直接関わってきた経験を活かし、食品開発における微生物の応用などの実践例を基に、その理論と方法を学ぶ授業を行っている。

【授業目標】

 微生物は古くからわれわれ人間と密接な関係にある。食品産業において微生物を効果的に活用するためには、微生物の特性に関する基礎的知識を得ることが大切である。本講義では、微生物学の歴史、日常生活と密接な関係にある代表的な微生物の種類とその特徴、一般的な微生物の増殖や死滅に影響を及ぼす環境要因等について理解することをねらいとする。また、微生物を活用して製造される清酒・ビール等の酒類や味噌・醤油・食酢等の調味料の特徴、アミノ酸等の食品素材の生産及びバイオテクノロジー等について理解することもねらいとする。

【到達目標】

 @ カビ、酵母、細菌の一般的性状、構造とその機能について説明できる。
 A 日常生活と密接に関係している代表的なカビ、酵母及び細菌の種類とそれぞれの特徴について説明できる。
 B 微生物の増殖や死滅に影響を及ぼす環境要因について理解し、それぞれについて説明できる。
 C 微生物を利用した食品の中で、特に清酒や味噌・醤油等の調味料の種類や特徴について説明できる。
 D 食品等の製造へのバイオテクノロジーの利用について説明できる。

【授業計画】

 配付資料をベースとして、パワーポイントにより講義を進める。配付資料にメモをしっかりと取りつつ、理解を深める。 

内容
1
微生物とは何か、人類と微生物との関係についての歴史
2
微生物の取扱い法
3
微生物の種類と性質、日常生活と密接に関係している微生物とその特徴
4
微生物の構造と機能
5
微生物の代謝
6
微生物の栄養と増殖
7
微生物の増殖制御と殺菌
8
中間試験と解説
9
微生物を利用した酒類(清酒、ビール)の製造
10
微生物を利用した酒類(蒸留酒、ワイン、みりんなど)の製造
11
微生物を利用した調味料(味噌、醤油、食酢など)の製造
12
微生物を活用した食品素材の生産
13
分子遺伝学の発展、セントラルドグマ及び遺伝子発現機構
14
微生物のバイオテクノロジー
15
期末試験と解説

【履修上の注意(含予習・復習)等】

 日常から微生物に関するテレビ番組や新聞記事等に注意するようにして欲しい。新聞記事はできれば切り抜いて整理しておくようにする。3年次で受講する食品・微生物学実験のほか、食品衛生学や生体防御論等の基礎となる科目でもある。特に微生物の増殖や死滅に影響を及ぼす環境要因については、それが十分に説明できるようにするとともに、食品の保存や簡単な滅菌方法については日常的に応用できるようにする。なお、新型コロナウイル感染症の影響により、対面授業と遠隔授業を組み合わせた授業を行う場合がある。

【成績評価の方法と評価割合(%)】

 全般的な理解度を筆記試験(中間と期末の2回)によって評価する(各50%、計100%)。
 なお、理解度については、自分の言葉で十分に説明できるかどうかを見るので記述式が中心である。

【テキスト・参考文献】(テキスト◎、参考文献(推薦)○)

 ◎村田容常・渋井達郎編『食品微生物学』(東京化学同人)

 ○藤井建夫編『食品微生物学の基礎』 (講談社)
 ○阪井康能他編著『遺伝子・細胞から見た応用微生物学』(朝倉書店)