【シラバス基本情報】
科目名 | 社会的養護概論 | |
担当教員 | 吉田 幸恵 | |
配当年次 | 2年 | |
履修方法 | 選択 | |
開講時期 | 前期 | |
授業形態 | 講義 | |
単位数 | 2 | |
備考 |
【授業目標】
本講義は、社会的養護の意義や基本的理念、制度・法体系の概要を修得することをねらいとしている。そのためにまず、今日のこどもを取り巻く社会の変動や家族機能の変化と、児童養護問題発生の原因との関連性について理解を深める。そして、社会養護の歴史、制度・法体系、現状などについての基礎を学習する。また、児童福祉援助者としての保育士の専門性について理解を深め、権利主体としてのこども観や養護観を養う。さらに、社会的養護の実際と今後の課題について検討し、援助のあり方を考える。
【到達目標】
@ 今日の児童養護問題について、その発生要因等を含めて理解している。
A 近代国家成立以降、要養護児童に対し、国家はどのような制度・政策を展開してきたのか把握している。
B 現在の社会的養護関連制度・政策の現状と課題について理解している。
C 社会的養護の学修を通じて、自らの問題意識に深まりや広がりが認められる。
【授業計画】
前半は、現代社会における児童養護問題の特質と、こどもの権利擁護の一環として社会的養護が必要とされる理由と社会的養護の意義について学修する。
後半は、社会的養護の具体的な制度や法体系と、施設養護・里親養育の実際、さらには、社会的養護の現状と課題について学ぶ。
また、本講義は、視聴覚教材や新聞・雑誌の記事等の資料を活用しながら展開する。それら資料についての考察レポートを数回課す予定である。
1 現代社会における児童養護問題:家庭や社会の役割
2 社会的養護の意義:家庭養育と社会的養護の相互関連性から
3 こどもの権利擁護と社会的養護(1):児童養護におけるこども観
4 こどもの権利擁護と社会的養護(2):「子どもの権利条約」
5 社会的養護の歴史:「児童福祉法」制度前と制定後
6 社会的養護の理念と概念
7 社会的養護の制度と実施体系(1):社会的養護の制度と法体系
8 社会的養護の制度と実施体系(2):社会的養護の仕組みと実施体系
9 社会的養護の制度と実施体系(3):施設養護と家庭的養護
10 社会的養護の制度と実施体系(4):施設養護
11 施設養護の実際(1):こどもの日常生活とその援助
12 施設養護の実際(2):親子関係、学校、地域などとの関係調整
13 社会的養護における現状と課題(1):倫理の確立と虐待防止
14 社会的養護における現状と課題(2):新たな養護論の確立
15 まとめ
【履修上の注意(含予習・復習)等】
毎回の授業後に、質問の受付、授業内容に関するコメントの記入・提出を行う予定である。これらの機会を学びのチャンスと考え、有効に活用してほしい。また、普段から新聞や書籍などを積極的に読み、本講義で取り扱う分野に限らず社会の動きにアンテナを張っておくこと。
【成績評価の方法と評価割合(%)】
期末試験(50%)により、専門知識や理論に関する理解度を評価する。@ABC
加えて、レポート(50%)により、専門知識や理論を活用しながら具体的に自分の考えなどを説明する力、自己の興味関心の深まり具合、論理性などを評価する。@ABC
【テキスト・参考文献】(テキスト◎、参考文献(推薦)○)
◎喜多一憲 監修・堀場純也 編集『みらい×子どもの福祉ブックス 社会的養護T』みらい、2017年