至学館大学大学院健康科学研究科は、平成4年に日本で初めて健康科学を専門として誕生した研究科である。
本研究科は、運動・栄養・休養(リフレッシュ)を中心とした真の健康科学についての学問的確立とその応用を図ることによって、より健全で豊かな社会の構築に貢献できる「人間力の形成」を教育理念としている。
具体的な教育目標は、健康の保持・増進を図るための高度な専門知識と実践力及び人間力を身につけた有能な健康指導者を養成することである。
また、健康科学専攻内には「健康運動学」、「健康栄養学」、「健康リフレッシュ学」の3講座を設けており、各講座の特色と専門性を生かした健康づ
くりに関する学修(理論と実践)と研究を行っている。
本研究科では、上記の理念・目標を理解し、健康に関する諸問題に対して積極的に取り組み、科学的に解決していくための人間力の形成を目指すとともに、専攻した講座の高度で専門的な知識と技能をもって健康指導者・研究者を目指すために積極的に取り組む志のある人を求めている。
なお、本研究科で学ぶにあたっては、健康に関する基礎的な知識を有するとともに、運動、栄養、心身のリフレッシュ等について、いずれかを大学等で学修していることを求めている。
本研究科では、上記の教育目標並びにディプロマ・ポリシー(学位授与方針)を達成するために、健康運動学講座、健康栄養学講座及び健康リフレッシュ学講座の3講座を設け、学生は、その中のどれかを主専攻(専門)の講座として選択することになっている。
教育課程は、すべての学生に共通である共通科目と、それぞれの講座で専門的に学修・研究するための科目群(健康運動学、健康栄養学、健康リフレッシュ学)によって構成する。これらの科目群の中には、共通必修科目、講座内の必修科目及び選択科目をそれぞれ配置する。
共通必修科目としては、健康科学に関する学際的内容について理解するための健康科学特論 I 及び II を開設するとともに、運動・栄養・休養(リフレッシュ)の各領域を代表する健康運動学特論、健康栄養学特論、健康リフレッシュ学特論を開設する。
講座内の必修科目としては、学生が選択したそれぞれの専門領域において
より実践力を身につけるための演習及び研究科目を配置する。また、選択科目としては後述するそれぞれの専門領域に関して高度な専門知識を身につけるための科目を開設し、学生はその中から6単位を選択履修しなければならない。
また、開講年次については、講義科目をできるだけ第1年次に配置し、第2年次にはそれらの専門知識を活用して応用・実践や研究を行うための演習及び研究科目を配置する。
なお、修士課程修了のための所要単位は、共通必修科目(10単位)、講座内必修科目(8単位)、各講座内の選択必修単位(6単位)の計24単位と、共通科目及び3講座の中から自由に選択履修できる自由科目(6単位)の合計30単位以上である。
共通科目と各講座で開設する授業科目群の主な内容は以下のとおりである。
共通科目 | 運動・栄養・休養(リフレッシュ)の各領域に関する基礎から応用までの幅広い知識を修得し、かつ、健康情報を的確に収集して、それを処理する知識と技能を修得するための科目群。 |
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健康運動学講座 | 人体の構造や機能と運動による影響を明らかにするために、運動生理学、バイオメカニクス、スポーツ医学、健康教育学、トレーニング科学等の高度で専門的な知識と技能を修得するとともに、健康運動に関する諸問題に対して科学的に指導及び研究できる能力を身につけるための科目群。 |
健康栄養学講座 | 人体の構造や機能に対する栄養摂取の影響を明らかにするために、運動・スポーツと栄養、発育・発達と栄養、栄養指導や栄養治療並びに食品の機能等に関する高度で専門的な知識と技能を修得するとともに、栄養に関する諸問題に対して科学的に指導及び研究できる能力を身につけるための科目群。 |
健康リフレッシュ学講座 | 心身に対するリフレッシュの効果を明らかにするために、運動や休養の方法、心と体を癒す(ヒーリング)方法等について心理学、運動学、生理学に関する高度で専門的な知識と技能を修得するとともに、リフレッシュに関する諸問題に対して科学的に指導及び研究できる能力を身につけるための科目群。 |
修士(健康科学)の学位は、大学院学則の定めるところにより所定の単位を修得し、かつ、必要な研究指導を受けたうえ、修士論文の審査及び最終試験
に合格したものに授与する(学位規程第5条)。なお、課程修了の判定においては、以下の要件を満たしていることが必要である。
1 | 健康に関する諸問題に対して積極的に取り組み、科学的に解決していくための人間力(健康力、知的視力、社会力、自己形成力及び当事者力)を身につけている。 |
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2 | 運動・栄養・休養(リフレッシュ)に関する専門的な知識を具体的に応用・実践していくための指導力や研究力を身につけている。 |
各講座の修了要件は次のとおりである。
健康運動学講座 | 健康の保持・増進に必要な運動に関しての高度で専門的な知識・技能を修得し、健康運動の指導や研究に活用することができる。 |
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健康栄養学講座 | 健康の保持・増進に必要な栄養に関しての高度で専門的な知識・技能を修得し、栄養指導や研究に活用することができる。 |
健康リフレッシュ学講座 | 健康の保持・増進に必要な心身のリフレッシュに関しての高度で専門的な知識・技能を修得し、健康づくりのための指導や研究に活用することができる。 |