<教育の目標と特色および求める人間像>
健康スポーツ科学科は、『健康の保持・増進のための運動・スポーツの指導者として豊かな人間性と高度な専門知識を身につけ、人々の健康実現に寄与・貢献できる人間力の育成』を教育目標としています。
また、本学科は、中学校や高等学校教諭(保健体育)の免許取得課程や健康運動・障害者スポーツ・専門スポーツ等の各種指導者資格を取得する課程を有しています。
これらの課程では、学校や各種施設及び地域におけるスポーツ・健康運動等の指導・運営に関する高度な専門知識とともに、より効果的で科学的な指導を行うための実践力が身につくような特色ある教育を展開しています。
そのため、健康スポーツ科学科では強い目的意識のもとに次のような志のある人を求めています。
1 | 学校体育や競技スポーツに関心をもち、将来、体育・スポーツの分野における専門的な知識と実践力を身につけた人間力豊かな指導者を目指す人。 |
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2 | 生涯を通じた健康の保持・増進や今日的な健康問題に関心をもち、将来、健康運動指導に関する専門的な知識と実践力を身につけた人間力豊かなエキスパートを目指す人。 |
3 | 運動・スポーツ施設の運営や環境整備、メディア発信、イベント企画等に関心をもち、将来、運動・スポーツ活動を側面からサポートするための専門的な知識と実践力を身につけた人間力豊かなプロデューサーを目指す人。 |
<受験生に求める学修内容と入試における評価観点>
本学科で学ぶにあたっては、高等学校での授業や課外活動のみならず、日常生活においても健康づくり・体育・スポーツ活動の指導や運営に関心を高めておくことを望みます。
入学試験では、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」について、以下のような観点で評価します。
1. 知識・技能
健康・スポーツに関連する分野において専門的に学修するためには、高等学校の教育課程において幅広く学んでいることが重要です。
入学試験では、特に健康・スポーツに関連する分野で学ぶための基礎となる国語、英語、数学および生物・化学の基礎知識や体育・スポーツの技能がどれだけ身に付いているかによって判定します。
2. 思考力・判断力・表現力
健康・スポーツに関連する分野の指導や支援等を効果的に行うためには、選手や健康運動実践者等の心身の状態を考え、的確な指導法やトレーニング法等を判断し、それを適切に表現して伝える力が重要です。
入学試験では、健康の保持・増進、競技力の向上、スポーツの振興等における活動を行う上で必要な思考・判断・表現力等を修得するための基礎的な能力がどれだけ身についているかによって判定します。
3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
健康・スポーツの指導者や支援者として社会に寄与・貢献するためには、自らがスポーツ活動を経験しているか、あるいは指導していることが重要です。
入学試験では、運動能力・技能の測定や指導法につながる専門知識を積極的に学ぶ姿勢や心構えがあるかどうかによって判定します。
健康スポーツ科学科では、教育目標並びにディプロマ・ポリシー(学位授与方針)を達成するため、専門教育科目として以下の9つの科目群を体系的に配置する。低学年においては、少人数教育により学生個々の学習状況を把握するとともに、教養科目と専門教育科目の連関を良くするために専門基礎演習科目を設置する。体育、スポーツ、健康運動の実践的な指導力の養成にあたっては、講義科目による基本的な知識の習得と並行して指導法を主な内容
とした実技科目を配置するとともに、関連する演習や実習科目についても適時配置する。
また、各学生の将来設計に合わせて自らが希望・選択する分野に向かって、より専門的で効果的な履修が行えるように「スポーツコーチング専修」、「ヘルスエクササイズ専修」及び「スポーツプロデュース専修」の3つの専修コースを設定する。
健康科学 (学部共通) |
健康の重要性やそれを保持・増進させるための運動、栄養、休養(リフレッシュ)に関する広範な知識を身につけるために、加齢による心身の変化を含めた身体的、精神的、及び社会的な健康に関する総合的な知識を修得するための科目群。 |
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健康社会学 | 高齢者や障がい者等に対する社会福祉分野、情報を発信するメディア関連の分野、健康やスポーツの競技会・イベント等を企画・運営する分野など、健康づくりやスポーツ活動を支援するために必要な知識や社会状況を理解し、それに対応する力を身につけるための科目群。 |
栄養学 | 健康の保持・増進に必要な栄養学の基礎知識を修得するとともに、スポーツと栄養・食事に関する知識と技能を修得するための科目群。 |
保健・衛生学 | 障がい児を含めて小児から成人までの発育・発達、老化に合わせ、科学的な情報を的確に収集・処理して個人や集団の健康を保持・増進するための保健・衛生に関する知識を修得し、かつ安全や救急・救命に関する知識と技能を修得して、体育・スポーツ活動の現場で安全で効果的な指導が展開できるようにするための科目群。 |
スポーツ科学 | スポーツ指導に関する歴史や文化的背景、スポーツの役割や原理、スポーツに関する法律等を理解するとともに、スポーツを通じた倫理観を育成し、スポーツ関連施設やそれを運営する行政機関を含めた社会的構造や集団行動におけるマネジメント能力を身につけ、スポーツ活動における心理学的、自然科学的知識をもとに科学的な指導ができるようにするための科目群。 |
スポーツ医学 | 身体の構造や機能に関する知識と、運動による生理学的反応や運動が身体に及ぼす影響等に関しての知識を修得するとともに、スポーツ障害に関する医学的知識と怪我や疲労に対処するための手技・手法を身につけるための科目群。 |
運動学 | 競技スポーツ、学校体育、野外活動等に関する「運動の概念」や「スポーツ種目別特性」を理解し、体育・スポーツ活動の目的に合わせた実施内容やトレーニング方法に関する知識と実践的な指導スキルを修得するための科目群。 |
運動実技・ 指導法 |
学校体育における実技指導、一般社会における健康運動指導、野外活動の指導、スポーツ活動の指導における実践力を高めるとともに、そのために必要となる個々人に合わせた指導法を工夫・展開する力を身につけるための科目群。 |
専門演習・ 研究 |
低学年では、専門分野における広範で多様な基礎演習を行って健康やスポーツに関する興味・関心を高め、高学年では、より興味・関心をもつ専門的な分野に分かれて研究や演習を行うことにより、学生個々の専門性とその応用力をさらに高めるための科目群。 |
その他 | 科学の進歩や社会情勢の変化によって生み出される新しい知識や技能を取り扱う科目や、教員免許(中学校・高等学校教諭<保健体育>)を取得するための科目群、その他、ほかの科目群で得た知識を応用又は補完するために必要な科目や各種資格を取得するための科目群。 |
健康スポーツ科学科では、教育目標を達成するために、学科が定める所定の単位を修得し、
以下の能力を身につけた学生に対して学士(健康スポーツ科学)の学位を授与する。
1 | 身体の構造と機能や健康づくりに関する専門知識を身につけ、科学的に健康運動やスポーツ活動を指導することができる。 |
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2 | 年齢、性別、その他の個人的な特性を考慮して、健康運動やスポーツ活動を指導することができる。 |
3 | コンディショニングや身体ケア等の専門技能を身につけ、健康運動やスポーツ活動を指導することができる。 |
4 | 運動・スポーツの情報収集に関する基礎知識を身につけ、関連産業や事業(イベント等)を指導・支援することができる。 |
5 | 学校体育や健康づくりに必要な実技種目の指導法と技能を身につけ、実践の場で活用することができる。 |