ホーム > ニュース&トピックス > レスリング > 栄監督からご挨拶
みなさん、こんにちは。栄です。
今回世界選手権で中京女子大学卒業生である、
3選手の北京オリンピック出場が内定しました。
これも一重に皆様のあたたかい励ましがあってこそだと思っています。
本当にありがとうございました。
中京女子大学を選び、私の下へやってきてくれる選手達は、みんなそれぞれ大きな目標を掲げ入学してきます。
長い選手は10年弱も汗を流しています。
私なりに、選手達にもてる分の愛情で、
毎日ひたすらに選手達と接してきました。
レスリング部と過ごすマットの上での時間は、
戦いでもあり、私にとっては最も自分らしくいられる大切な時間です。
その中でも、吉田、伊調姉妹は、指導者として、
私自身も目標としてきた「オリンピック選手」になり、
メダルを勝ち取りました。
そして、北京オリンピック出場も決めてくれました。
吉田は外国人選手に、負け知らず、
「無敵」「金メダルに一番近い選手」と言われていますが、誰よりも勝つことに貪欲で、ひたむきで、
優しさゆえに周りの声を聞いてしまう選手です。
大きな試合前に高熱を出したり、
怪我をしてしまうというハプニングは今までに何度も経験してきました。
弱音を吐かない分、ギリギリまで我慢してしまうのです。
周りを明るくさせてくれる吉田には、
私自身も何度も救われてきました。
本当の優しさは強さなのかもしれないと、
気づかされた選手でもあります。
これからもまだ強くなることが止まることはありません。
吉田に担がれアテネで歓喜の涙を流したあの日からもう3年が過ぎました。
きっと、あのとき以上の笑顔で吉田と北京のマットからみなさまに感謝の意を伝えることをお約束したいと思います。
伊調姉妹の姉、千春は、何度も挫折を繰り返してきた選手です。
「努力」という言葉は千春の為にあるのかと思うほど、
転んでは立ち上がり、泣いては立ち上がり、
ひたすら夢に向かって走り続けてきた選手です。
多くの支えに気付かされてか「感謝」という言葉を千春は最近よく使うようになりました。
アテネで負けたとき、「オリンピックの銀でもうれしくない」とマスコミにも言い切ってしまいました。
「あちゃー!!」と頭を抱えたのと同時に、
「勝つ」ことを教えてきた私にとっては正直うれしくもありました。
負けた試合で納得できるはずがない、
勝って周りに感謝の気持ちを伝えるんだ。
日々の練習で選手達に伝えていることがそのまま千春の声になったのだと思います。
千春は、負けて強くなった。
今年の世界選手権、涙でくしゃくしゃの顔で抱きついてきた千春が、
北京ではきっと最高の笑顔で私に「ありがとうございました。」と言ってくれることを期待しています。
そのときは、私はきっと涙でぐしゃぐしゃだろうな・・・。
ありがとうを、私からも伝えられるよう、
支えていきたいと思います。
伊調姉妹の妹、馨は、あまり感情を表に出しません。
姉の姿を見て育ってきたのが本当によくわかります。
馨は頭を使うレスリングをするため、
練習中もよく自分で考えている姿が見られます。
時々見せるニコッとした笑顔は、私も癒されます。
馨は、「練習嫌い」「おとなしい」イメージを持たれている方が多くみえるのではないでしょうか。
これは全く違います。
見えないところで頑張る選手なんです。
泣いたところは、練習でも試合でもあまり見たことがありません。
選手達からも頼られ、姉千春のこともよく心配している馨は、「末っ子要素」いっぱいのふつうの女の子です。
北京でも、馨らしく試合ができれば必ず日の丸を一番高く掲げられると確信しています。
3選手だけでなく、中女のマットにはたくさんの感動と絆が溢れています。私も、選手達に支えられ励まされ、周りの方々に支えられ励まされ、やっと今この環境を手にすることができました。まだまだ足りないことばかりです。私も選手も未だ学ぶことばかりですが、多くの方々へ心から感謝の気持ちを伝えられるよう日々精進し、精一杯選手達と向き合って、共に泣き共に喜んでいきたいと思います。
これからもどうぞご声援くださいますようよろしくお願いいたします。