私は、卒業後、名古屋短期大学付属幼稚園に就職し、結婚を機に3年で退職。その後、3人の息子が生まれ、中学時代から描いていた夢「お母さん」となりました。3番目の子が2歳になると、大学4年間続けていたスイミングインストラクターに復帰しましたが、再び幼稚園で働きたいという思いが次第に強くなっていきました。
　しかし、当時の私は、35人の園児の担任は楽しくできたのに、自分の3人の子どもの育児がうまくいかない。それどころか、頑張れば頑張るほど大切な子どもたちにイライラをぶつけ悪魔のような恐ろしい自分が表れる…「優しいお母さん」になる夢が、木っ端みじんに砕け散ったという状態でした。「私は母親として失格…先生になる資格もない…」自分にがっかりし、自分責めが辛かったです。

　今振り返っても、子育てだけでなく、義父母との同居・夫婦関係等、いろいろなことが負のスパイラルにはまっていて、本当に苦しい時期だったなぁと感じます。

　自分の子育て・保育士経験、現在の活動を通して、気づいたことは、親子関係がうまくいっていない時は、どちらかが悪いのではなく、愛情があるゆえに、心と心が「ズレ」てしまっている「だけ」のことが多いということです。その心の「ズレ」から生まれる苦しみも、また「ズレ」が整った先に訪れる幸せも、私自身、経験し、行動の目的を考えていくアドラー心理学の実践を通して乗り越えてきましたので、よくわかります。私と出会うことで少しでも親子の心が繋がって、笑顔になってもらえたらなと思っています。でも、私自身も、学びも人生もまだまだ途中。そんな自分の未熟さを引き受けながら、子どもたちとお仕事で携わること29 年の経験を宝に「親と子の秘めた可能性を引き出す専門家」として歩んでいます。