原因不明の難病「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」と闘っているOGをご紹介します!
2019.05.09
卒業生
~ 知ってください!「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」 ~
卒業生の加藤悦子さんは、現在、原因不明の「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」(Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome)と闘っています。
先日、2000年度卒業生の加藤悦子さんが同窓会室を訪問してくれました。
この病気は、健康だった人が突然、原因不明の激しい全身倦怠感におそわれる病気です。 強度の疲労とともに、微熱・頭痛・筋肉痛・脱力感・思考力の障害などが長期にわたって続くため、 健全な社会生活が送れなくなります。さらに病因・病態が未解明で治療法も確立しておらず、診断・治療できる医師も全国で十数名ほどしかいないなど、患者は大きな困難に直面しています。(参照:http://mecfs-aid-japan.org/)
以下、加藤さんが話してくれました。
私の病気「線維筋痛症と筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」は、死ぬような病気ではありませんが、自殺率が非常に高い病気です。「死んだように生きている」自分が辛くなり、自死に至ってしまうケースもあります。 目に見えない・検査をしても異常がないがゆえに、周りの無理解に苦しみ、精神的な病を併発したりしてしまうため、自殺に至るパターンも多いのです。 全国各地に患者会があり、「難病指定を目指す会」もあれば「慢性疲労症候群から筋痛性脳脊髄炎へ病名変更を求める会」もあります。皆それぞれ様々な活動をしておりますが、私たちは、
- まずは病気を知ってほしい。
- 理解はできなくても、病気や症状の否定はしないでほしい。
- この先、若者が発症したとき、私たちのような苦しみはしてほしくない。
- 「なんか聞いたことある、その病気!」となるような世の中になってほしい。
- 学生たちやこれからの未来を担う方々に知ってほしい。
そんな願いで活動をしているとのことでした。しかし、愛知県には患者会はなくホームページにも掲載はないそうで、まだまだ認知が進んでいないのが現状だということでした。
終始笑顔でお話してくれた加藤さんでしたが、大変な状況であることを知りました。加藤さんから後日、メッセージが届きましたので紹介します!
加藤さんからのメッセージをご紹介します!
至学館大学の皆さま、同窓生の皆さま、こんにちは!人文学部2000年卒業生の加藤悦子と申します。
突然ですが、インフルエンザや風邪の状態で全力疾走する姿を想像してみてください。(大変危険ですので実際にはしないでくださいね)
とても身体が辛いですよね。痛いですし、息苦しいですよね。そもそも走りたくなんかないですよね。
でも、そんな状態が24時間365日続く病気がこの世にあるのです。
それが今、私がかかっている病気「慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎」です。
8年前まで私はごく普通に働くOLでした。
ある日、普通に電車に乗って帰宅し、少し頭痛がするなと思い薬を飲み横になりました。
そして、気がついたときには近所の病院の救急治療室に!何が起こったのかさっぱりわかりませんでした。
様々な検査を行いましたが全く異常なし。むしろ健康だと言われるレベル。
でも、私は歩くどころか起き上がることすら出来なくなっていました。
どこの病院に行っても「異常なし」「心の問題」と言われるばかり。
そして、確実に謎の症状は進行し、身体の激痛に終始悶え、ほぼ寝たきりになりました。
「慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎」という病名がつくのに5年かかりました。
「慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎」は、極度の疲労状態や発熱、我慢できないほどの全身の激痛、めまいや貧血、けいれんを引き起こしますが、検査でも異常がないうえに見た目では全くわからない。
そのことでいらぬ誤解を受けたり、「慢性疲労なんて誰にでもある」と偏見を受けたりしています。ですが、この病気は慢性疲労とは全くの別物なんです。
今のところ、原因も不明、治療法もない、薬もない状態で日々患者は苦しみながら生きています。
死に至る病気ではありませんが、あまりの辛さに自死する人があとをたちません。
「周りの人からの理解」。これこそが、今ある私たちの薬のようなものです。
どうか、まず慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎という病名を知ってください。
病気が理解できなくても、せめて否定はしないでやってください。
それだけで患者は前へ進もうと、明日も頑張って生きようと思えるのです。
2019.4月 卒業生 加藤悦子
5月12日は、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」の世界啓発デーです。
http://mecfs-aid-japan.org/
5月12日は、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日で、人生の一時期、この病気だったと言われています。また、2018年に歌手のレディー・ガガさんも、自身のTwitterでこの病気であることを告白しています。
■ME/CFS AID Japan■